「俺たちに翼はない」クリア感想のようなもの

「今更おれつばかよ」と思われるのも仕方ない2017年でござるが、友人からPS3バージョンをいただいたのでプレイしました。正直に言うとトロフィーを獲得したかっただけで、軽い気持ちでスタートボタンを押したものの、全ルートクリアまでなんと15時間も費やしました。それでも女の子とイチャイチャする部分を除いてほぼ全スキップしたの結果です。

まさに良い作品はどれぐらい時間が経っても色褪せないものです。2011年のアニメ放送当時は全話視聴しましたが、原作に触れなかったので話がよく分からなかった記憶があります。ゲームとは違って時間軸に沿ってまとめてくれたとはいえ、最初はなんて主人公は三人もいるではないかと思うことになるでしょう。そして物語の後半になると、三人分の知人たちが混ざったときの面白さも本作の魅力ポイントと察しました。

一番最初で攻略したのはやはりメインヒロインたる渡来明日香ちゃん。正統派ヒロインの集大成、これぞギャルゲーみたいな感じです。姫様のわりに地声でいじわるや冗談を飛ばしているところが個人的に一番キュンと来るところです。明日香ちゃんが出場するとセリフを聞くためにスキップを一時中止するぐらいです。たどり着けない二次元にいる女の子ですが、ヘッドホンから聞く声がなんか身近にいるみたいな感覚になります。好きなシーンといえば主人公が階段で不意に明日香のパンツを見たところ。わけの分からない男子生徒が変態呼ばわりして暴行を振るったときに助けてくれる明日香、そのセリフは「っていうかこの人に見られても大丈夫だよ、彼氏彼氏」。まだ仮初の関係とはいえ、学園一の美少女にそう言われると優越感が止まりません。別ルートになるとタカシが消える場合がありますが、それでも明日香は挫けずに羽田君と話したいと迫ってきます。愛しくて堪りません。最後のところに朝食を作ってくれるときにわざと包丁の音を鳴らすとか、白いワンピースと藁帽子を用意して微笑みの美少女を演じるという描写もなんらかの現実感を帯びています。素敵な恋愛体験を与えてくれたありがとうございます。リアルでは一生体験できませんが(苦笑)。

山科京ルートは明日香ルートとの重複が多い。最後は同じく前向きに解離症の治療を受けることになりました。明日香ルートにないのはインパクトの強いバッドエンドです。見なくても全トロフィーを取れますが、これは必見です。もともと精神不安定な京ちゃんと恋人関係を結んだあとにフリまくると、当たり前に壊れてしまいました。明言にしていないが多分明日香は殺されたでしょう。ナイフを突っ込みながら京が叫んだセリフは「お前が厚生労働省か!」。まったく意味の分かんない言葉なので調べてみました。そこであるメンタルヘルス患者用の薬が2007年で厚生労働省によって規制されたという話を見つかりました。面白いですね。

あとは玉泉日和子ですが、残念ながら星型髪飾りの巨乳のお姉さんはタイプではないです。他のヒロインとは違って身を挺して高感度を上げなければならないので、別の意味で正統派と言えるかもしれません。鳳鳴と香田亜衣、二人共結構気に入りました。誇り高いロリコンでございます。喋りすぎのフーメイちゃんだけでも十分面白いのに、亜衣ちゃんと主人公3人一緒になるともっと楽しいです。主人公を悩ませる二人ですが、こうしたちょっとうるさい付き合いを一度体験したい。

トゥルーエンドの小鳩ルートで真実が明かされました。複数の人格を作り出したきっかけは小さい頃のトラウマ。今の感覚から見ればいろんな作品で使われたよくあるパターンですね。

一番印象に残ったセリフと言えば「世界が平和でありますように」ーーではなく
「お前が厚生労働省か!」

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